年齢と向き合うサーフボード-4
サーフィンを楽しむ為に重要となるのは当然サーフボード。
体重や年齢、サーフィン歴に合わせてどんなサーフボードに乗るか、いろいろ調べてる時が夢広がり最も楽しい一時。
手に入れたサーフボードが波の上でどんな動きをしてくれるのか、子供の時の様な興奮と不安は、自宅を出発してからピークに到着して波に乗るまで、幾つになっても変わりません。
その大切なサーフボードの動力となるのが、ご自身のパドリングです。
このグラフは、アメリカの有名スポーツメーカーN社がレベルの違うサーファーが一回のサーフィンでどの様な行動をしているかについて調べたデータをグラフに表した物です。
左から、沖に出たりピークを選ぶ為のパドリングに使っている時間、次は波待ち時間、次は波に乗る為のパドリング時間、次は実際に波に乗っている時間、その他で表示されています。
一回海に入り、大半の時間をパドリングに使っているのが分かります。
それだけサーフィンにとってパドリングというのは大切な作業になります。
パドリングと言ってもただ腕を回す動作の事だけで無く、ご自身のボードに乗る位置、フォーム、バランスの取り方がトータル的に重要になってきます。
どんなに高価で高性能なサーフボードを手に入れても、この動力となるパドリングが上手くできていなければ、サーフボードをスムースに走らせる事は不可能になってしまいます。
こちらのグラフは、パドリングをスタートから最高速に達するまでの距離が表示されています。
スピードの出るパドリングになるので、波に乗る時の動作の参考にしていただきたいグラフです。
サーフィンにとって最も重要であり、自然のリズムに速度を合わせなければ成功しないのがテイクオフです。
テイクオフがコンスタントに成功する様になれば、サーフィンは常に楽しいスポーツになってくれる大切なパートです。
どうしてもライディングの華やかな部分を気にしてしまい、助走となるテイクオフの為のパドリングの精度を見落としてしまいがちです。
サーフィン歴30年、パドリングについてなど考えた事無い、という方は多いのではないでしょうか
陸上競技の走り幅跳びや高飛びの選手が、助走から踏み込みまでの歩数合わせを慎重に行なっている姿をイメージしてください。
助走が上手く行われて正確な踏み込みが出来、記録へと繋がります。
波に乗るためのパドリングからの一瞬で行うテイクオフとイメージは同じです。
サーフィンではさらにフィールドが動き、不安定な水の上での動作になります。
テイクオフの為のパドリングは、ウネリの中のピークと言われる良い位置に入りこみ波との速度を合わせる事が重要です。
ご自身のパドルとウネリの速度、ポジションが合った時に初めて華麗なテイクオフが可能になります。
パーリングや乗り遅れの多い方は、3回ぐらいのパドルで波のピークではなくショルダーから乗ろうとしてる場面を見かけます。
自然はそんなに優しくはなく、助走のしっかりとしたパドリングがないサーファーは、ウネリの速度と同調できずに波に巻き上げられるか、垂直にボトムに突き刺さってしまいます。
グラフのデータを見ていただくと、パドルで最高速度に達しているのはスタートから10mの距離、最低でも7〜8m、ロングボード2本分ぐらいは助走を行いスピードをつけ、波の速度に合わせる必要があります。
ワールドツアーのコンテスト中継では選手が波を追いかけ、7〜10回のパドリングを全速で行っている場面を多く見る事ができます。
あれだけ身体能力の高い選手達でさえ、波に乗るためのパドリングはしっかりと多くの回数腕を回しスムースなテイクオフに繋げています。
上手いサーファーのパドリングはとても良い参考になり、永遠の課題です。
ショートボードなら胸下から膝上までをリラックスした状態でボードに乗せ、肩甲骨をしなやかに可動させ、背筋ではなく腹筋を意識する事が大切です。
パドリング時のサーフボードに乗る位置と姿勢、サーフィン中の体軸と身体の動きなどはとても奥が深く、ここでご紹介した以外にスポーツメーカーN社の調べた様々な情報をカリフォルニアで聞いていますが、文章にするには長くなってしまい難しいので、サーフボードご購入の時にぜひ色々質問してください。
現代のサーフボードは高性能であり全体的に短くなっています、お体の大きさに対してレングスと容積のバランスが合っていない場合は、さらにテイクオフは難しくなり波に乗れる回数は多くなりません。
どんなにパドリングの重要性を理解して回転数を増やしても、お体に合っていないサーフボードは前方に滑り出す前に、ウネリの上方向に浮き上がる現象が発生してしまいます。
ご自身の年齢やレベルに合った大きさのサーフボードを手に入れ、スムースでスピードあるパドリングから多くの波を捉えていつまでもサーフィンを楽しんでください。